2020/11/19
NPIメールマガジン「新型コロナと医薬特許」(経済安全保障研究会)
NPIメールマガジン「新型コロナと医薬特許」(経済安全保障研究会)
中曽根平和研究所「経済安全保障研究会」では、第二回研究会が7月29日(水)に開催されました。
今回は、「新型コロナと医薬特許」と題して、高倉成男明治大学(法務研究科)教授が発表し議論しました。
主なポイントは次の通りです。
○新型コロナウイルス感染症収束のためには、ワクチンの開発・生産・接種が必要だが、新薬開発段階では莫大なコストがかかる一方、製造段階では安価かつ大量に生産できなければならない。
○新薬の特許と安価大量生産の調和という課題は、GATT・ウルグアイラウンド交渉から議論されてきたが、ドーハ会合以降、国際社会には知財と公衆衛生のバランスを図っていこうという機運が盛り上がってきた。
○政府は、新薬開発に向けた企業の意欲をくじくのでなく、企業の公益的目標と利益目標の追求を両立できるような方策を模索すべきである(具体的には特許製品の買い上げ)。
○問題は、わが国には現在世界ランキング上位の製薬企業がない、すなわち新薬の研究開発への投資余力が弱いというのが現実だということ。
○製薬における国際競争力の劣位は、経済安全保障上危惧すべき課題ではないか。
高倉教授の発表内容は <https://www.npi.or.jp/research/2020/08/24172354.html>をご覧ください。
経済安全保障研究会は、今後も定期的に研究会を開き、その成果を発信していきます。
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