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2020/11/19
NPIメールマガジン「複雑、巧妙さを増す「ハイブリッドの戦い」は平時から始まっている」(海洋安全保障研究会)

NPIメールマガジン「複雑、巧妙さを増す「ハイブリッドの戦い」は平時から始まっている~日本として総合的な対応と日米での対応~」(海洋安全保障研究会)

中曽根平和研究所ではこれまでグレーゾーン事態に関する研究を進めてきました。本年度もこれまで4回の研究会を開催し、従来の陸・海・空3ドメインに加え、「宇宙領域」・「サイバー領域」・「電磁領域」そして「認知領域」を横断した「ハイブリッドの戦い」について議論を進めています。
鋭意研究を進めているところですが、現時点における主なポイントは次の通りです。

総論:国家としての総合力の結集
平時から広がりを見せる「ハイブリッドの戦い」に対応するには、外交・防衛当局のみならず政府関係機関や民間企業も含め、国としての総合力の結集が求められている。

各論1:国内の体制の課題
現行法制下における「ハイブリッドの戦い」への対応は、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」第3章21条に示されている「緊急事態」への「措置とその他必要な施策」で読み込むのが妥当であるが、より一層の具現化を図る必要性がある。具体的には以下の項目が挙げられる。
(1) 監視・情報収集体制の充実
(2) 認知領域」に関する横断的司令塔の創設
(3) 「サイバー領域」に関する横断的対処組織の構築
(4) 衛星航跡データの一元管理
(5) 警察、海上保安庁等と自衛隊の連携の強化
(6) 同盟調整グループ(ACG)への他省庁の早期関与の必要性

各論2:「ハイブリッドの戦い」における国内法、国際規範の課題
平時においても、「領土、領空」のみならず「サイバー領域」、「宇宙領域」において国益に対する明確な侵害が生起する兆候が見られる。この様な事態への対応には、法的にどの様に対応するのか国内法として明示する必要がある。また、「宇宙領域」「サイバー領域」「電磁波領域」における国際規範についても検討する必要がある。

各論3:「ハイブリッドの戦い」への日米連携
「ハイブリッドの戦い」に対応するためには、平時からの日米の軍事・外交の枠にとどまらない具体的かつ明示的な連携が重要である。具体的には以下の項目が挙げられる。
(1) 日米における新たな枠組みの創設 
(2) 武力攻撃未満の事態における具体的・明示的な日米連携
(3) 「宇宙・サイバー・電磁領域」における日米の役割分担・連携
(4) 「宇宙・サイバー・電磁領域」の国際規範を形成していくため
の日米連携

なお、本研究成果の詳細については、中曽根平和研究所ホームページ上<https://www.npi.or.jp/research/2020/09/14104754.html>で公開していますのでご覧ください。

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