English

メールマガジン

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

2020/11/19
NPIメールマガジン「新型コロナ危機下の米中対立激化と東南アジア」(米中関係研究会 no.2)

中曽根平和研究所の「米中関係研究会」(研究リーダー:川島真上席研究員、東京大学大学院綜合文化研究科教授)は、「新型コロナ危機下の米中対立激化と東南アジア」をテーマに、大庭三枝神奈川大学法学部教授のご報告をもとに、議論を行いました。主なポイントは以下の通りです。

・「新型コロナ危機下」での米中対立の激化は、米中のASEAN諸国への積極的関与という形でASEAN諸国のバランス外交という基本姿勢に大きな影響を与えている。

・新型コロナ対策支援では、中国によるいわゆる「マスク外交」といった「目に見える支援」がASEAN諸国に提供されて概ね歓迎された。一方、米国のWHO等の国際機関を通じた公衆衛生能力向上支援の取り組みは地味であるとの印象を与えた。

・「新型コロナ危機下」でも継続される中国の南シナ海における実効支配を拡大・強化する動きは、一部のASEAN諸国との摩擦と警戒感を増大させている。これに対して米国は、強硬な対抗策(南シナ海における大規模軍事演習の実施、中国による南シナ海での領有権を否定した2016年7月国際仲裁裁判所判決への言及と領有権問題へ関与する方針の明言)を打ち出している。

・ASEAN諸国は「米中いずれとも対峙するつもりはない(デゥテルテ比大統領)」と伝統的なバランス外交を維持しようと腐心している。米中が東南アジア地域への影響力を強めようとすればするほど、むしろASEAN諸国自身の東南アジアの地域秩序に与える影響は大きくなっている。これまで構築してきた諸外国を交えた国際的な枠組「ASEANアーキテクチャ」を最大限活用し、ASEAN諸国が「ASEANの規範」に則った自立的なルール作りを通じて地域秩序の安定を進めるという観点では、今まさに正念場を迎えていると言える。

大庭先生の発表内容はこちらのコメンタリー < https://www.npi.or.jp/research/oba_20200930.pdf >をご覧ください。
米中関係研究会は今後も定期的に研究会を開き、その成果を発信していきます。

【お問い合わせ先】
このメールマガジンは、ご登録頂いた皆様および役職員が名刺を交換させて頂いた方々を中心にお送りしております。
ご意見を頂戴できる場合は、本メールマガジンの配信用アドレスまでお寄せください。
なお、原則として返信致しかねますので、ご了承ください。
・NPIメールマガジンの配信停止はこちらからhttps://w.bme.jp/bm/p/f/s.php?id=npi&mail=hshima53%40iips.org&no=1169
・配信先の変更を希望される方は、恐れ入りますが変更前のアドレスへの配信を停止した上で、弊所ウェブサイトの「メール
マガジンの発行を開始しました」から新しいアドレスの登録をお願い致します。

本メールマガジンの内容を引用する際には、出典を明記くださいますようお願い致します。

----------------------
中曽根平和研究所(NPI)
〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目2番2号 30森ビル6F
TEL 03-5404-6651 / FAX 03-5404-6650
https://www.npi.or.jp/

< 前のページに戻る

NPIメールマガジン バックナンバー

記事一覧へ >
公益財団法人 中曽根康弘世界平和研究所(NPI)
Copyright ©Nakasone Peace Institute, All Rights Reserved.