2019/12/04
中曽根会長追悼文(藤崎理事長)
11月29日、私どもの会長中曽根康弘元総理が101歳で逝去されました。
1982年から87年まで総理をつとめ、JR、NTT、JTなどを産む行革を行ったこと、日米関係の建て直しをしたこと, サミットで名実ともに中心的な位置を占めたことなどで有名です。
総理就任の直前に日米関係には軍事的側面はあるかないかと言うことが問題になっていました。このため日米間の信頼関係はきしんでいました。中曽根総理はこの建て直しのためには先ず足元のアジア諸国との関係を良くすることが大事と考え総理就任最初の訪問先をはじめて韓国とし、また中国の胡耀邦主席との信頼関係を構築しました。米国との関係では同盟にはコストがかかることを日本国民も知るべきであるとして国内的には不評でも米国の信頼回復に努め、これまでより踏み込んだ安保政策を打ち出しました。レーガン大統領との個人的な強い絆もつくりました。
そしてこのレーガン大統領、米国との関係を足場にサミットにおける日本の位置を変えました。はじめて首脳の記念写真で中心的な位置に立ったことで有名です。しかし、それ以上に欧州諸国がソ連に中距離核ミサイルをヨーロッパから極東に移させようとしたことをウィリアムズバーグ・サミットでレーガン大統領の協力も得て阻止したことは特筆すべきです。
今に続く日米関係を形作ったリーダー中曽根康弘会長のご冥福を祈ります。
理事長 藤崎一郎