2025/09/27
韓国・北朝鮮研究会コメンタリー No.13「戒厳令政局と第21代大統領選挙」(梅田皓士・拓殖大学海外事情研究所助教)を掲載しました。
韓国では、2025年6月3日に第21代大統領選挙が実施され、革新政党「共に民主党」の李在明候補が当選し、大統領に就任した。本来、この大統領選挙は、2027年3月に実施される予定であったが、尹錫悦前大統領の非常戒厳令発出に伴う大統領職罷免によって前倒しで実施された。
李在明「共に民主党」代表は、前回の大統領選挙で敗北し、その後、党代表として「共に民主党」を率いて2024年4月の国会議員選挙で過半数を獲得した。そして、国会で尹錫悦政権に対する強硬姿勢を取り続けるなど、尹錫悦政権を追い詰めるきっかけをつくった。そのため、当初より、李在明候補の当選が見込まれていた選挙であった。
保守政党「国民の力」において今回の選挙の過程で様々な問題が生じた。例えば、韓東勲前党代表の尹錫悦前大統領の弾劾に対する姿勢が二転三転したことや、金文洙前雇用労働部長官と韓悳洙前国務総理の候補一本化をめぐる問題などがあり、結果として、李在明「共に民主党」候補が当選した。これから5年間、韓国の国政を運営していくことから、李在明大統領の「実用主義」を評価、考察することが求められる。
以下では、今回の大統領選挙を振り返った後、李在明政権下の韓国政治と今後の日韓関係を展望する。