2021/12/16
11月25日に、NPI「知りたいことを聞く」シリーズ「朝鮮半島情勢:韓国、北朝鮮はどこに向かうのか」を開催しました。
NPI「知りたいことを聞く」シリーズは、人々が関心を寄せる旬のテーマについて、第一線の研究者に「知りたいこと」を投げかけて見解を聞く討論会です。
来年3月に大統領選挙が予定されている韓国。選挙そのものだけではなく、政権の対日関係や対中関係の変化などへの関心も高まっています。北朝鮮は新型ミサイル発射など動きを見せています。米朝関係の今後の見通しも焦点です。こうした問題意識をもとに、参加者の皆様のご質問に応えつつ解説を行いました。
◆モデレーター 藤崎一郎(当研究所理事長) ◆パネリスト 平井久志(共同通信客員論説委員) 西野純也(慶応義塾大学教授・当研究所上席研究員) ◆論評 實生泰介(外務省アジア太平洋局参事官)
当日、パネリストに投げかけた質問を以下の4つのグループに整理しました。
1.イ・ジェミヨン知事が与党「共に民主党」の候補、野党はユン・ソクヨル前検察総長を候補に選び、来年2月まで熾烈な選挙戦が行われると思われる。両候補ともスキャンダルも抱えているようであるが、選挙戦のこれからの見通しはどうか。選挙戦の争点は何か。対日関係や対北関係は争点になり得るか。
2.大統領になった場合、両氏の対日、対米、対中、対北政策はどうなるか。
3.金正恩総書記はトランプ米大統領(当時)を直接相手とした経験から、北朝鮮はアメリカのソン・キム特別代表は相手にせずとの態度をとっている。米・北朝鮮の話し合いが始まる可能性はどう見るか。ビーガン前特別代表は北朝鮮核のフリーズないしスタンドスティルを示唆したことがあったがバイデン政権もこうした政策をとる可能性があるか。
4.北朝鮮が本当に核やミサイルを放棄する可能性は低いし、実際のところ終戦宣言やアメリカによる安全保障に関心はないと思われる。歌舞伎芝居は別にして基本的には当分の間このままの膠着状態が続いていくと考えて良いか。それとも転換もあり得るか。