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外交・安全保障

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2014/06/04
カンボジアの政府機関及びシンクタンク等との海洋の安全保障に関わる意見交換

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5月27日~30日、世界平和研究所は、カンボジア・プノンペンにおいて、海洋をめぐる諸問題に関し、カンボジア政府及びシンクタンクとの意見交換を行った。

 世界平和研究所は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、我が国の安全保障確保のために、海洋における諸問題をアジア諸国との間で平和裏に話し合う対話メカニズムの構築に取り組んでいる。今回は、その取り組みの一環として、官民対話(トラック1.5)を実施した。

 世界平和研究所からは、松本太主任研究員及び松崎みゆき主任研究員の2名が参加した他、海上自衛隊から海上幕僚監部指揮通信情報部長の大塚海夫海将補及び同防衛部防衛課から臼井洋太郎3等海佐の参加を得た。

 外務国際協力省及び国防省においては、それぞれラッチャビー長官及びソバット外交政策計画総局長(陸軍大将)と東シナ海・南シナ海情勢について意見交換を実施するとともに、先方よりカンボジアの対外政策について説明が行われた。

 海軍司令官ビニュ海軍大将との懇談においては、南シナ海情勢に関するカンボジア海軍の認識及びカンボジア海軍が現在直面する課題等について説明がなされた。また、密輸、不法漁業などを取り締まる「警察」、「税関」、「外務国際協力省」、「海軍」などの省庁を横断する組織である「国家海上安全委員会」事務局次長キム・トーン海軍少将との懇談においては、カンボジアの海洋安全保障に関する取り組みについて理解を深めることができた。

 カンボジアを代表するシンクタンクであるCICP(Cambodian Institute for Cooperation and Peace) ソティレアッ専務理事(元駐日大使)及びカンボジア系米国人団体により設立されたパンニャサストラ大学の教授等とは、カンボジアの国内情勢及び国際情勢認識等について、政府外の立場から、率直な意見交換を実施した。

 さらに訪問先全般を通じ、日本とカンボジアとの関係強化、特に海洋安全保障分野での協力に関する日本への大きな期待が示された。

 カンボジアは、インドシナ半島に位置するASEAN加盟諸国の一員であるが、南シナ海問題に直接関わっておらず、日本・カンボジアの有識者レベルでの、海洋における諸問題に関する意見交換の機会もこれまで限定的であった。今後とも、こうした東南アジア諸国とも、海洋における諸問題について認識共有を図り、将来的な日本との協力の可能性についての継続的な対話が必要であろう。

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