2014/11/10
日系企業の中国進出に関する現状と展望
豊田裕(主任研究員)による報告を掲載しました。
「日系企業の中国進出に関する現状と展望」(PDF)
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日本から中国への海外直接投資額は2014年に入って大幅減となっている。
一方で世界から中国への海外直接投資額は過去最高水準に膨れ上がっており、日本は2014年1-9月時点の国別では、台湾・韓国の後塵を拝している。
日本から世界への海外直接投資額は、円安傾向にも関わらず2013年には過去最高水準となっているが、中国向けは減っていてASEAN諸国向けが急増している。
2012年の尖閣国有化以降、日中関係の悪化が急速に進み、2012年第一四半期から中国の実質GDP成長率が7%台に下がったこともあり、日本では中国との関係強化のリスクが声高に主張されはじめた。この機に、中国に集中しはじめていた製造業の海外拠点に対して、中国集中のリスクを指摘し、中国以外の国・地域へも分散して投資する経営戦略が推奨されはじめ、その候補としてASEAN諸国が挙げられるようになった。本当に中国向けの海外直接投資はこのまま縮小していくのか、そしてその代替としてASEAN諸国向け海外直接投資が伸びていくのかを、日中経済関係諸団体による日系企業向けアンケート結果等を踏まえ、考察したい。