2021/09/02
北東アジア情勢研究会・コメンタリーNo.1 「台湾有事と韓国〜米国の思惑に対する韓国の警戒感〜」(伊藤弘太郎・NPI協力研究員)
北東アジア情勢研究会はコメンタリーNo.1にて、伊藤弘太郎協力研究員(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)による「台湾有事と韓国〜米国の思惑に対する韓国の警戒感〜」を掲載しました。第2回北東アジア情勢研究会での議論を踏まえ、伊藤弘太郎協力研究員によるコメンタリーをお届けします。
<概要>
米中対立が激しさを増す中、我が国では台湾有事に関する議論が熱を帯びるばかりだが、米国は、議会証言などからも、日韓さらには豪州等と連携した対応を用意しようとしている。韓国では、米韓首脳会談にて「台湾海峡」への直接的な言及があったことから、保守派は歓迎し、進歩派は有事に巻き込まれることへの懸念を示すなど、米国からの支援要請があった際の対応について議論が始まっている。わが国においても、日韓二国間関係の冷え込みと別に、米国を中心とする多国間安保協力の中で日韓の連携を求められる局面を想定・検討していかなければならないのではないか。
本稿では、次の構成で台湾有事に備える米国、韓国、ひいてはわが国の現状を整理し、課題を明らかにしている。
1. 台湾有事をどう想定するか
2. 韓国国内での評価が大きく割れた米韓首脳会談の成果
3. 我が国へのインプリケーション