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経済・社会

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2021/10/07
北東アジア情勢研究会コメンタリーNo. 3 「最近の日韓関係悪化が日本企業に及ぼした影響」(百本和弘客員研究員)

北東アジア情勢研究会はコメンタリーNo. 3にて、第4回北東アジア情勢研究会での議論を踏まえた、百本和弘客員研究員※による「最近の日韓関係悪化が日本企業に及ぼした影響」を掲載しました。

<概要>

近年の日韓関係は、「国交正常化以降最悪」とも評されるほど、厳しい状況におかれているが、韓国側から見ると、2019年7月の日本政府による"韓国向け輸出管理の運用見直し"がその契機とされているようである。これは具体的には、対韓輸出のいわゆる"ホワイト国"からの除外と、フッ化水素など半導体等の製造工程で使用される"特定3品目"を包括輸出許可対象から外すというふたつの施策である。韓国はこれらを対韓輸出規制と受け止め、特定3品目を含む100品目での対日依存度を引き下げる「脱日本化」で対抗することとした。

本稿で指摘しているのは、対日輸入依存度の引き下げは、かつては貿易・経済構造的な動機が強かったが、今回は経済安全保障からの動機に変わった点である。80年代までの韓国は、日本からの部材・装置を輸入して製品を製造・輸出するという組立て型・輸出志向型工業化政策を採っていたが、90年代以降は部材・装置の国産化が徐々に進展し、また、2000年代以降は一部の日本企業が対韓輸出を韓国現地生産に代替した結果、対日輸入依存度は明らかに下がってきた。

韓国政府の「脱日本化」政策と時を同じくして韓国で激化した日本製品ボイコット運動により、多くの消費財関連の在韓日系企業が影響を受けた。他方、「脱日本化」政策による日本の対韓輸出への影響は一部品目を除いて必ずしも顕在化していない。しかし、昨年来の新型コロナ感染症の世界的な蔓延を受けて、「脱日本化」政策はサプライチェーン強靭化政策に格上げされた。その中で「脱日本化」政策が今後とも継続される可能性が高いであろう。そうなると、生産財関連の日本企業の韓国ビジネスにもこれから影響が顕在化する可能性がある。

本稿は、この流れの中で、韓国ビジネスをどう進化させていくべきか、検討・提案しようというものである。

注※)独立行政法人日本貿易振興機構所属、元当研究所主任研究員(~2021年3月)

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