2023/07/31
海洋安全保障研究委員会リサーチノートNo.1「台湾有事抑止における日本の対応に関わる考察」(川嶋隆志・中曽根平和研究所主任研究員)を掲載しました。
本稿は台湾有事を抑止するために日本として可能な方策について検討することを目的としている。
2022年2月のロシアによるウクライナに侵攻後、次の大きな紛争の可能性がある地域として、台湾が注目されている。日米の多くのシンクタンクが台湾有事のウォー・ゲームを実施しているが、中でもCSISの報告書は、台湾有事が収束した際の台米中の疲弊した状況まで言及しており、日本のメディアでもさかんに取り上げられている。ウォー・ゲームの多くは、中国による台湾侵攻を想定し、在日米軍基地への先制攻撃が行われるというシナリオを提示している。これを受けて、米下院の中国共産党に関する特別委員会は、ダメージを軽減するためインド太平洋地域へ米軍の部隊を分散配置し、基地防御を強化するよう政策提言している。