2024/04/30
日米同盟研究会コメンタリーNo.36「岸田首相の訪米と日米関係」(森聡・慶應義塾大学)を掲載しました。
岸田首相が国賓としてアメリカを訪問した狙いは、幅広い分野で様々な協力を打ち出すことによって、日本はアメリカとともに国際秩序を守る責任を分かち合うという意思を行動で示し、アメリカにとって日本が重要な同盟国であることを明確にして、アメリカによる対日防衛コミットメントを強化することにあったといえよう。こうした目標は真新しいものではない。しかし、一国主義的な世界観を持つ勢力がかつてと比べて大きくなっているアメリカの国内政治状況を見渡すと、日本の取り組みをアメリカ国内の視点や政治的文脈の中に位置づけて説明する必要に迫られている。日本をアメリカの「グローバルなパートナー」として位置付け、外交面で国際秩序を維持するための責任を共に請け負うとしたのは、こうした観点からであろう。