2025/10/24
日米同盟研究会コメンタリーNo.76「アメリカ・ファースト時代における台湾防衛の意義構築」(寺岡亜由美・ブランダイス大学助教授)を掲載しました。
第二次トランプ政権の発足から九か月が経ち、アメリカを取り巻く国際情勢は、①ウクライナ戦争の停戦交渉、②中東・ガザ紛争の終結交渉、③友好国・競争国を問わずに行われる関税交渉という三つのアジェンダを軸に展開してきた。台湾防衛に関する議論も米中間の「関税戦争」の文脈で語られるようになり、トランプ政権が台湾を対中交渉の取引材料として扱っているのではないかという懸念が広がる。実際、トランプ政権が中国との貿易協定や首脳会談の実現を優先するあまり、今年の夏に予定されていた台湾の頼清徳総統による南米諸国訪問では、従来のようにアメリカを経由することへの承認が下りなかった。

