ロシア研究会
趣旨
23年度から3年間にわたり、東アジアに内在する朝鮮半島、台湾海峡問題、あるいは協力の可能性などについて、韓国、北朝鮮、台湾、中国、ロシアの地域の専門家が各々の「内政」や「歴史・秩序観」などを踏まえて考察し、その成果を米豪、欧州との対話によって深化させるとともに、研究成果を内外に発信し、かつ外務省、政府に提言していくことを目的とする。世界的にも有数の日本の東アジア地域研究の成果を外交政策に接続させていく試みである。韓国・北朝鮮研究会、中国・台湾研究会、ロシア研究会、日米同盟研究会、多国間関係研究会の5つの研究会(ユニット)からなる。
ロシア研究会では、グローバル秩序における黒海地域と台湾海峡の比較研究を行う。その際、東アジアに内在する諸問題と旧ソ連地域の諸問題の連関も明らかにする。中露関係の緊密さ、旧ソ連地域とアジアの非民主主義体制の国家とは類似点も多いことなどに鑑み、旧ソ連地域の諸問題の分析や得られた教訓により、東アジアの諸問題の展開に関する研究に活かす。ロシア・ウクライナ戦争の多角的研究を進める。これらの研究から 日本ないし世界の平和と安定のための示唆を検討する。
メンバー構成(敬称略)
リーダー: 廣瀬 陽子 慶應義塾大学総合政策学部教授・中曽根平和研究所上席研究員
宇山 智彦 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授
長谷川雄之 防衛省防衛研究所研究員
中馬 瑞貴 (一社)ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所主任
真野 森作 毎日新聞社外信部副部長兼論説研究員
ダヴィド・ゴギナシュヴィリ ジョージア大使館分析官・慶應義塾大学SFC研究所上席所員
高木 裕介 慶應義塾大学大学院博士課程
平田 健治 中曽根平和研究所主任研究員
研究会の活動
■2023年度
第1回 2023年7月6日
テーマ:趣旨説明、今後の進め方についての議論等
2023年7月10日
ウェビナー「ウクライナ戦争の波及効果~中央アジアと中国の接近~」
(中国・台湾研究会との共催)
2023年9月25日
コメンタリーNo.1「アルメニアの「ロシア離れ」政策 南コーカサスにおける地政学的構造の変化の可能性」
(ダヴィド・ゴギナシュヴィリ・ジョージア大使館分析官、慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
第2回 2023年9月28日
テーマ:大統領選を控えたロシアの地域情勢:戦争・制裁下の統一地方選挙を中心に
報告者:中馬瑞貴協力研究員
テーマ:ジョージアの対外政策の変化――そのメリットとデメリット」
報告者:ダヴィド・ゴギナシュヴィリ協力研究員
第3回 2023年11月6日
テーマ:2023年選挙後のトルコ外交
報告者:今井宏平・アジア経済研究所海外派遣員
第4回 2023年12月27日
テーマ:2024年大統領選に向けたプーチン体制の生存戦略(仮)
報告者:長谷川雄之協力研究員
テーマ:ロシア・ウクライナ戦争とロシアの少数民族(仮)
報告者:真野森作協力研究員
第5回 2024年1月4日
報告者:Alexander Gabuevカーネギー財団ロシア・ユーラシア・センター長2024年2月14日
コメンタリーNo.2「ロシア・ウクライナ戦争とロシアの少数民族ーーブリャート人の戦死率を中心に」(真野森作・毎日新聞外信部副部長)
第6回 2024年2月16日
テーマ: ナゴルノ・カラバフ『共和国』の終焉~その背景と影響
報告者:廣瀬陽子上席研究員
テーマ:ウクライナ戦争の時代における中央アジアのロシア認識:「重要な大国」と「脅威」の間で
報告者:宇山智彦客員研究員
2024年2月22日
公開シンポジウム:ウクライナ侵攻から2年のロシア・旧ソ連地域報告者: 廣瀬陽子上席研究員
宇山智彦客員研究員
長谷川雄之協力研究員
中馬瑞貴協力研究員
真野森作協力研究員
ダヴィド・ゴギナシュヴィリ協力研究員
■2024年度
2024年5月31日
コメンタリーNo.3「ロシア大統領選とプーチン5期目のスタート ―人事政策を中心に―」(中馬瑞貴・(一社)ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所主任)
第1回 2024年6月4日
テーマ: メンバーによる進め方の打ち合わせ
2024年6月24日
コメンタリーNo.4「カザフスタンのミドルパワー宣言 ――大国追随でも「グローバルサウス」でもない第三の道――」(宇山智彦・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)
第2回 2024年7月11日
テーマ:ナゴルノ・カラバフ問題の現在と今後の展望:アゼルバイジャンとアルメニアの最近の動きを中心に
報告者:廣瀬陽子上席研究員
テーマ:ジョージアの「代理人法」成立による国内的かつ国際的な効果
報告者:ダヴィド・ゴギナシュヴィリ協力研究員
第3回 2024年9月26日
テーマ:イラン・ロシア関係の展開--ウクライナ侵攻以降を中心に
報告者:青木健太・中東調査会研究主幹
第4回 2024年11月1日
テーマ:ロシア核ドクトリンの改訂を巡る議論
報告者:長谷川 雄之 防衛省防衛研究所 研究員
テーマ:ロシアの中央・地方関係の最新動向―首長選挙と市長選挙を中心に
報告者:中馬 瑞貴 ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所 主任
※本研究会は、2023年度に採択された外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金によって運営されています。