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政策提言

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2025/09/18
日韓ビジョングループは「世界秩序転換期における日韓戦略的パートナーシップ」を公表しました。

 当研究所と韓国のNEAR財団、韓国国際交流財団は、国交正常化60周年を迎える2025年に向けて日韓関係の未来ビジョンを策定することで合意し、2024年から報告書の作成を進めてきた。日韓双方の専門家10名ずつで構成された「日韓ビジョングループ」を立ち上げて、2024年3月(東京)、24年7月(ソウル)、24年12月(東京)、そして25年3月(ソウル)に計4回の会議を実施して意見を集約した。さらに、未来ビジョンの担い手となる日韓の若い世代の意見を聴取・反映するための場として、25年3月(高麗大学校)と25年5月(慶應義塾大学)において「日韓未来世代との対話」を開催した。

 未来ビジョンの作成にあたっては、次のような方針で臨んだ。第1に、歴史和解への取り組みも重要であるが、現在および未来の日韓関係を健全かつ安定した友好関係へと発展、定着させるための提言により重点を置いた。第2に、日韓両国の国際社会における地位に照らして、日韓は二国間レベルの相互利益を超えて、両国が東アジア及びインド太平洋地域の平和と繁栄を主導していく責任があることに着目した。第3に、これまでの日韓関係の発展の中で、必ずしも十分な関心が払われてこなかった分野の潜在力に注目した。中央だけでない地方の役割、女性の視点と立場の尊重、政府レベルだけでない民間レベルの重要性、将来の担い手となる若い世代の視点、などを意識して報告書に幅広く取り入れるよう努めた。第4に、実用的な観点から政策としての実行可能性を念頭に置き、具体的かつ実現可能な提言を多く盛り込んだ。第5に、日韓両国は似ている部分もあるが実際には多くの違いがある。こうした違いに由来する双方の異なる立場や理解をできるだけ収斂させて、より多くの共通点を見つけ出すことに努めた。今後、報告書が提言した協力が実現し、関係がさらに進むことで、共感の領域は次第に拡大し、関係の基盤は一層強化され、持続性のある関係へと発展することが望める。

 本報告書が日韓両国の政府と民間で幅広く読まれて「未来ビジョン」として受け入れられ、具体的な協力を通じた成果が積み重ねられることを期待したい。

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