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2021/10/05
9月30日に、NPI「知りたいことを聞く」シリーズ
「インド太平洋構想と日本の安全保障」を開催しました。

インド太平洋構想と日本の安全保障

 NPI「知りたいことを聞く」シリーズは、人々が関心を寄せる旬のテーマについて、第一線の研究者に「知りたいこと」を投げかけて見解を聞く討論会です。


 インド太平洋構想(FOIP)は日本が発案した構想で、トランプ政権が受け入れてバイデン政権に引き継がれました。日米豪印によるQUADが構築されつつあり、中国が警戒心を高めている中、今後の同構想の深化・発展の見込みと日本の安全保障への意義などについて、参加者の皆様のご質問に応えつつ解説を行いました。


 モデレーターは当研究所理事長の藤崎一郎が務め、前半はパネリストとして細谷 雄一氏(慶應義塾大学教授・当研究所上席研究員)と森 聡氏(法政大学教授 ・当研究所上席研究員)が皆様の質問にこたえました。後半は、AUKUS関係各国の在京外交関係者としてフィリップ・ロスカンプ在京米大公使参事官、ヘギョン・ユ在京オーストラリア大使館公使(臨時代理大使)、ダニエル・ソルター在京英大参事官からコメントをいただき、ウォール・ストリート・ジャーナルのジャパンエディターであるアレステア・ゲイル氏からも質問を頂戴しました。更に、有馬裕外務省総合外交政策局参事官(大使)にもご参加いただき、盛会となりました。


 当日、パネリストに投げかけた質問は以下です。ウェビナーのお申し込み時に皆様から寄せられた「聞きたいこと」を下の4つのグループに整理しました。


1.日本の新しい総理大臣はインド太平洋につきどのように臨めばよいか。EUとアメリカは、ともにインド太平洋地域での外交を活発化させているが、そのポイントないし課題を2、3点挙げるとすれば何か。


2. QUADの産みの親は日本の第一次安倍政権である。育ての親が中国の拡張主義であり、これは強引な外交であるとも言える。先般の首脳会議では、サプライチェーン、インフラ投資、5G等の通信、サイバー面での協力を打ち出しつつある。他方で、いずれの国も中国との貿易関係を重視している。QUADの合同軍事演習や上記の4者協力の深化等を行いながらも、中国に対して「中国に包囲網ではない」との理解を得るにはどうしたらよいか。東南アジアはベトナムなど一部を除いて「米中の選択をしたくない」という姿勢がみられるが、QUADを拡大していく見通しはどうか。インドは中国のおかげでベネフィットを得ている部分があると感じるがこの点はどうか。 


3. 日本はAUKUSを歓迎している。豪州は保守連合政権下でダーウィン港99年租借に合意したり、モリソン首相自身は2018年には米中の選択はしないと述べて米中のバランスに配慮していたが、今回は一線を越えたと言ってよい。原子力潜水艦自体は相当先の話だが、この米英豪連合で南シナ海、南太平洋、インド太平洋の戦略状況は大きく変わったと見るか。 


4. 中国と台湾のTPP加盟申請は、いずれも本来の加盟条件を満たす野心的な申請提案が行われるならきちんと審査すればよい。しかし、もちろん政治的な意味合いがあるのも事実である。これでRCEPに続き、中国が入り米国が入らぬグループができてくることをどう見るか。バイデン政権は、もし中間選挙で勝利すればTPPへの加盟を考慮するか。

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