2021/12/09
第19回「日台対話2021」をオンラインで開催しました。
中曽根平和研究所(NPI)では、台湾・遠景基金会との共催で、2002年の初回以来19回目を迎える「日台対話2021」をオンラインビデオ会議にて開催しました。
およそ2時間にわたり、濃密、多面的かつ突っ込んだ議論が展開されました。
概要は以下をご覧ください。
<概要>
- 1.日時:2021年12月1日(水)14:30-16:30(日本時間)
- 2.形式:オンラインビデオ会議
- 3.主な参加者:*敬称略
<日本側>
藤崎一郎 中曽根平和研究所理事長(元駐米大使)
川島真 中曽根平和研究所研究本部長代行・東京大学教授
伊藤信悟 国際経済研究所主席研究員
<台湾側>
陳唐山 遠景基金会董事長(元総統府秘書長)
郭育仁 国立中山大学大学院中国とアジア太平洋地域研究科教授
李世暉 国立政治大学国際事務学院教授
頼怡忠 遠景基金会執行長
- 4.議題ならびに発表、議論された主な見解
■第1セッション:「FOIPと日本・台湾、および日台関係の展望」
日本側からは、2010年代以降の日台関係の推移を振り返った上で、2016年以降、日台関係が問題に直面していたものの、Covid-19時代においてワクチン協力など新たな地平が切り開かれたこと、また半導体産業におけるサプライチェーン問題や活発化する中国の軍事行動など新しい問題にも直面しているということ、またCPTPPへの中国・台湾の加盟申請に対する日本の対応の方向性について報告がされ、今後日台の協力の可能性や、進展させていく方向性について課題が提起された。
台湾側からは、南太平洋におけるAUKUS・QUADの動向、台湾有事への日本の対応等について見解が述べられた。また、中国によるサラミ・スライシング戦略への対応について提言がされた。
■第2セッション:「インド太平洋地域経済統合戦略とCPTPPへの中台加盟申請」
台湾側からは、米中貿易戦争により技術の開発は安全保障問題となっている点や岸田政権の「経済安全保障」戦略について見解が述べられた。また、CPTPPの枠組みにおいて、日本が進めている科学技術分野の新しいルール形成やサプライチェーンの再構築において、台湾は日本の最良のパートナーになれるという報告があった。また、そういった台日の経済的・技術的協力を進めるため、双方のシンクタンク等の定期的な対話など台日の協力関係のプラットフォームを構築することが重要であるという提言がなされた。
日本側からは、自由で国際的な経済的秩序の確保は日台にとって不可欠であり、台湾のCPTPPへの加入は自由な経済的秩序の発展に寄与すること、また、中国のCPTPP加盟審査手続きは中国の政策や行動を修正する貴重な機会になりうることが報告され、日台の協力関係について提言がなされた。