2022/02/08
2月3日に、NPI「知りたいことを聞く」シリーズ 「我が国のミサイル防衛と反撃力」を開催しました。
NPI「知りたいことを聞く」シリーズは、人々が関心を寄せる旬のテーマについて、第一線の研究者に「知りたいこと」を投げかけて見解を聞く討論会です。
中国のミサイル戦力は日進月歩の著しい向上を見せており、また、年明けより北朝鮮が立て続けにミサイル発射を強行するなど我が国を取り巻く安全保障環境は年々厳しさを増しています。このような状況を反映し、昨今の国会や新聞紙上では中国や北朝鮮のミサイル攻撃に対するわが国独自の反撃力保有について盛んに議論が行われており、このようなミサイルの脅威からどのようにして我が国の安全を守るのかについて国民的関心もこれまでになく高まっています。こうした問題意識をもとに、参加者の皆様のご質問に応えつつ解説を行いました。
◆モデレーター
德地 秀士(当研究所研究顧問)
◆パネリスト
香田 洋二(元海上自衛隊自衛艦隊司令官)
森 聡(法政大学教授・当研究所上席研究員)
当日、パネリストに投げかけた質問を以下の4つのグループに整理しました。
1. 弾道ミサイル、特に変則的な飛び方をするミサイルに現在の我が国のミサイル防衛システムで本当に有効に対処できるのか。
2. 北朝鮮はコロナ、制裁、自然災害の3重苦の中にあると言われている今、どうしてミサイル発射を繰り返しているのか。
3. 攻撃側が圧倒的に優位である現状ではミサイル防衛だけでは限界がある。とすれば、日本としても、相手側を攻撃する能力が必要ではないか。本年1月の岸田首相による施政方針演説では、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討するとのことだが、具体的にどのような選択肢があると考えられるか。特に「敵基地攻撃能力」なるものについては、どのような能力が具体的に考えられるか。
4. 日本の所謂「敵基地攻撃能力」の保有について、米政府はどう考えているのだろうか。