2022/08/24
8月1日に、NPI「知りたいことを聞く」シリーズ 「香港返還25周年 - 李家超新政権と香港社会」を開催しました。
NPI「知りたいことを聞く」シリーズは、人々が関心を寄せる旬のテーマについて、第一線の研究者に「知りたいこと」を投げかけて見解を聞く討論会です。
7月1日、香港は英国の植民地から返還25周年を迎えました。1997年以降50年間は「一国二制度」が維持されるはずでしたが、2020年6月に「香港国家安定維持法」が成立し、2021年には中国政府の主導で選挙制度が変わり、民主派議員の選任は絶望的になりました。そしてこの5月、国家安全維持法の制定に剛腕をふるった李家超(ジョン・リー)氏が、中国政府の支持を受けて行政長官に選出されました。警察官僚から保安局長を経て行政長官となった李家超新政権によって、香港はどのような都市になっていくのでしょうか。今回は香港政治研究の第一人者である立教大学の倉田徹教授と、政治心理学・世論の実証研究に優れた香港城市大学の小林哲郎准教授をお招きして、「中国化する香港」とは、世論分析から見る香港とは、そして香港の民主派と民主主義の行方などを伺いました。
パネリスト
倉田 徹 立教大学法学部政治学科教授
小林 哲郎 香港城市大学メディア・コミュニケーション学部准教授
モデレーター:川島 真 当研究所研究本部長/東京大学大学院総合文化研究科教授
外務省はじめ諸官庁や企業、マスメディア関係の方々の視聴参加を受け、活発な議論が交わされました。視聴者からのご質問を整理して、当日、パネリストに下の問いを投げかけました。
1.「政治は中国式、経済は香港式」とのことだが、香港における司法の独立性はどのように維持されているのか。
2. 李家超政権の立法会において、中国の影響はどうか。立法会は今後どのような取り組みを行うつもりなのか。立法会における立場や意見の違いはどう整理されていくのか。
3. 香港における学術環境の変化はあるか。どのような変化か。
4.「香港の社会制度、生活様式は50年維持する」となっていた点はどうなるのか、次の25年間にどのようなことが起きると考えられるか。
5. 香港の教育も中国大陸の影響を受けるだろうが、香港は日本との関係をどのように考えているか。
6. これからの香港情勢を見ていく上で注目すべき点は何か。