2018/09/11
トランプ政権国際経済政策研究会のレポートNo.4-「今後の日米通商協議を考える」を掲載しました。
トランプ政権国際経済政策No.4-「今後の日米通商協議を考える」
レポート本文はこちらからダウンロードでご覧になれます。
(要旨)
●8月9、10日、日米の新経済協議であるFFRの第1回会合開催。今回は双方それぞれの主張を述べ合い終了。9月には第2回目のFFRに加え、日米経済対話、日米首脳会談も行われる予定。今後、正念場を迎える。
●トランプ政権はNAFTA再交渉での対メキシコ協議で関税をテコとした交渉に自信を深めており、「自動車関税か、日米FTA交渉開始かだ」と迫ってくるだろう。9月は持ちこたえても、次の大統領選で成果を誇れるタイミングでの日米FTA交渉終了が目標なら、11月の首脳会談で最大級に圧力をかけてくる可能性。
●参考までに、過去の日米通商交渉で日本が勝利したとも言われる1995年決着の「日米自動車・自動車部品協議」を見てみると、発足直後のWTOの紛争解決手続を後ろ盾に善戦。
●今後の対応として、大原則は、日本としてはあくまで「法の支配」を重んじWTOルールに則った対応をとるべき。日本は、今、自由貿易システム堅持の主導的立場。
●日米FTA協議の道は、TPPで米国とギリギリの関税等交渉を終えており、取り難い。自動車への関税賦課となれば、1995年「自動車・同部品協議」時と異なりWTO紛争処理体制は弱体化しているが、EU等と連携してWTO紛争処理手続に基づく対抗をすべき。
●TPP11の発効・拡大やRCEP合意の努力継続で米国に圧力を強めつつ、米国のTPP復帰の説得を続けるべき。米国への投資増等ウィン・ウィンの対策も強調すべき。