2019/01/31
米中経済研究会レポートNo.10ー 「ダボス会議と多国間関係「4.0」-「Globalization 4.0」&「第四次産業革命」におけるHow To Manage-」を掲載しました。
米中経済研究会レポートNo.10ー 「ダボス会議と多国間関係「4.0」-「Globalization 4.0」&「第四次産業革命」におけるHow To Manage-」
レポート本文はこちらからダウンロードでご覧になれます。
(要旨)
- ●今回の世界経済フォーラム・ダボス会議は、主要各国の首脳の出欠状況が、「自国運営ファースト」vs.「Globalization4.0」の構図を露わにした。
- ●しかしこの両者の背景には、共通課題が存在する。それは、グローバリゼーションによる効率性・経済性の裏で顕在化してきた「外部不経済」「リスク」をいかにマネージ(やりくり)するか、である。
- ●この点、今回のダボス会議では、目新しい議論が十分になされたとは言えない。それは、どうしても欧州視点の経済での結びつきに関連性の高いアジェンダ・地域が主関心となってしまうためである。(そこを乗り越えるためには、欧州域外から、それを打ち破るアジェンダやアクターの登場が必須である)
- ●一方、「Globalization4.0」における経済成長ドライバーである「第四次産業革命」は、「製造業のプロセスをICT等活用によりいかに一貫マネージしていくか?」という課題である。しかしここには、新たな付加価値の可能性と、既存ノウハウの流出可能性との相剋が存在し、両方への配意が必要である。
- ●この点についても、今回のダボス会議で、目新しい議論が十分になされたとは言えない。今後ダボス会議において「第四次産業革命」に関する真摯な議論を進めていくためには、これまで中心だった多国籍大企業のみならず、各国製造業の屋台骨を支える「中堅中小企業」の代表者・団体の明示的な参加が必須である。
- ●ダボス会議における今後の日本のリード可能性に関して、以下2つを提言したい:
1)「Globalization4.0」的議論において、ダボス会議が見逃しがち、しかし世界的観点からは重要で、そこに日本が発信・貢献・マネージする意義のあるもの(人口減少・高齢化社会等を先取りした取り組みである「Society5.0」の国際展開可能な社会実装等)を、積極的に打ち出していく
2)「第四次産業革命」におけるカギを握る「中堅中小企業」の代表的な声(高い技術力を活かした付加価値創出および付随するリスクマネジメントに関する課題・対策等)を、各国に先駆けて積極的に発信するとともに、具体的な現場実装をマネージ・リードしていく