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産業・通商

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2021/03/25
百本和弘主任研究員「厳しい日韓関係が両国間の経済関係に及ぼす影響」を掲載しました。

百本和弘主任研究員の研究ノート「厳しい日韓関係が両国間の経済関係に及ぼす影響」を掲載しました。本文(pdf)はこちらからダウンロードでご覧になれます。

 

(要旨)

〇 日韓関係は2018年秋の韓国・大法院判決以降、厳しい状況に陥っている。他方、2019年7月に日本政府が韓国向け輸出管理の運用の見直しを発表すると、韓国側はこれに反発、韓国政府は「脱日本」(対日輸入依存度の引き下げ)政策を開始、国民の間では日本製品不買運動が広がった。従来、日韓間では政経分離が言われていたが、近年は日韓関係が両国間の経済・ビジネス関係に影響するようになった。

 

〇 韓国政府の「脱日本」政策を巡っては、包括輸出許可から個別輸出許可に切り替えられた3品目のうち、フッ化水素については日本の対韓輸出が大幅に減少した。ただし、フッ化水素の対韓輸出規模はもともと大きくなかったため、日本の対韓輸出全体に対する影響は軽微である。また、その他の2品目は対韓輸出に大きな変化は見られない。韓国の「脱日本」政策が今後、どれだけ進展するか予想は難しいが、行き過ぎた「脱日本」政策は日韓双方にマイナスの影響を与えよう。

 

〇 日本製品不買運動により韓国向け消費財輸出は幅広い品目で減少し、在韓日系消費財販売企業の業績にも影響を与えている。ただし、日本の対韓輸出に占める消費財の割合がもともと低いため、日本製品不買運動が日本の対韓輸出全体に及ぼす影響は限定的である。

 

〇 日本の対韓直接投資はすでに2010年代半ば以降、減少傾向にある。韓国企業の国内生産拡大に対応した日本の対韓直接投資が一巡した影響が大きい。なお、2019~2020年の日本の対韓直接投資は実質的には統計値以上に低調であったとみるべきである。

 

〇 日本の対韓直接投資は当面、本格的な回復は望みにくいであろう。韓国政府の「脱日本」政策に対応すべく、日本からの輸出を韓国生産に代替する日本企業の動きもみられるが、日本の対韓直接投資水準を大幅に引き上げるほどのインパクトはない。日本製品不買運動が完全に沈静化しても再燃のリスクが残るため、消費財関連の対韓直接投資は期待しにくい。日本企業の対韓直接投資の不振や在韓日系企業の撤退は、ビジネス機会の喪失という面で日本企業にとってマイナスであると同時に、雇用機会の減少、購買選択肢の縮小などの点で韓国にとってもマイナスである。

 

以上

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