2024/02/29
NPI&KAS共催NPI特別セミナー「経済安全保障―ドイツの視点」を2月20日に開催しました。
この度、クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使を講師とする経済安全保障に関するセミナーを、中曽根平和研究所とコンラート・アデナウアー財団で2月20日に共催いたしました。
麻生会長の基調講演では、ドイツ、日本の両国は、世界全体の安定と繁栄を図るための連携を、大国としての責任として進めなければならない。自由経済一辺倒では進んでいけないという国際政治経済の現実を前にして、経済安全保障の面で両国がどのように連携していくかは、国際社会全体にとっての重大事だと述べました。その上で、経済安全保障に関する「デリスキング」という基本的な立場からすると、米国を含めて、私たちの連携と協力、パートナーシップが極めて重要である以上、それが破壊されるようなことがあってはならないとの認識を示しました。
基調講演に続いて、クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使は、「経済安全保障―ドイツの視点」と題する講演で、ドイツにおける経済安全保障の重点分野について概説されました。また、ドイツと日本はその経済構造や課題において多くの類似点を共有しており、技術革新、サプライチェーンの強靭性、エネルギー転換、サイバーセキュリティ、貿易などの分野での協力に適しており、定期的な政府間協議などのプラットフォームを通じて協力することで、両国の経済的安全保障を向上させ、持続可能な成長を促進し、グローバルな課題に取り組むことができると、その意義を強調されました。
講演に続いて、質疑応答では、当研究所の白石経済安全保障研究センター長がモデレータを務め、講師との対談形式で、ドイツにおけるデリスキングに向けた政策の達成状況、ドイツ大使から見た日本における対中国政策の状況、経済安全保障に関する各EU加盟国の認識の違い、今般EUが策定した反威圧手段規則についてのドイツの立場などについて議論しました。
◆講師
クレーメンス・フォン・ゲッツェ 駐日ドイツ大使
◆質疑応答・モデレータ
白石 重明 当研究所主任研究員/経済安全保障研究センター長
*麻生会長の基調講演「経済安全保障ードイツの視点」(要旨)を以下のリンクよりお読みいただけます。