情報空間のリスク研究会
趣旨
23年度から3年間の予定で、情報戦の状況把握と効果的な対応策/国際連携に関する調査研究を行う。 現代の戦争の戦い方を象徴する"ハイブリッド戦争"では、情報操作によって社会を撹乱し、弱体化させることを目的として、平時から情報戦が行われている。本事業では、(1)国際情報空間のモニタリングを行い、情報戦の状況をインフォグラフィック化して発信/警鐘するとともに、(2)情報戦対する各国の施策を比較研究し、パイロット・テストによる対処ツールの開発を通じて、情報戦の対処に有効な施策/国際連携に関する政策提言を行う。 「国際情報のモニタリング」としては、ニュースのデータベース、Twitter(X)、Yahooのコメントラインなどの情報空間をクローリングしてモニタリングし、ディスインフォメーションが世界のどこで流布されているか、情報収集・分析・可視化を行う。「情報戦の対処ツール」のためには、台湾を中心に諸外国(米国、英国等)の情報戦に対する対処策について情報を収集し、日本における有効なツールの開発に資する。また、国際連携の在り方も検討・提言していく。メンバーによる研究会の実施ほか、オンラインメディアや新聞/雑誌における記事化、公開/非公開のセミナー、日英文で中曽根平和研究所のHPからの情報発信、メディア関係者への解説の場の設定等を通じて、社会への啓発活動を行う。
メンバー構成(敬称略)
リーダー: 大澤 淳 中曽根平和研究所主任研究員/ 笹川平和財団特別研究員
メンバー: 川口 貴久 (株)東京海上ディーアール主席研究員
宮崎 洋子 元スマートニュース研究所主任研究員
布施 哲 IISE国際社会経済研究所特別研究主幹
土屋 貴裕 京都先端科学大学准教授
持永 大 芝浦工業大学准教授
長迫 智子 情報処理推進機構セキュリティーセンター研究員
鈴木 涼平 一ツ橋大学法学研究科法学・国際関係博士課程
河西 陽平 中曽根平和研究所 慶應義塾大学法学博士
安江真理子 中曽根平和研究所主任研究員
研究会の活動
■2023年度
第1回 2023年12月25日
テーマ:「研究会の趣旨と計画に関する説明と議論」
第2回 2024年1月22日
テーマ:「インド太平洋におけるディスインフォメーション」
報告者:長迫智子(独立行政法人情報処理推進機構・サイバー情勢研究室研究員)
鈴木涼平(一橋大学大学院法学研究科後期博士課程)
※実施報告はこちら
第3回 2024年2月8日
テーマ:「2024年台湾総統選挙と情報操作」
報告者:川口貴久(東京海上ディーアール主席研究員)
コメンテーター:土屋貴裕(京都先端科学大学准教授)
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第4回 2024年2月16日
テーマ:「ロシアによる「情報戦」-その戦略・目的・事例研究を中心に」
報告者:佐々木孝博(元在ロシア日本国大使館防衛駐在官(元海将補))
コメンテーター:河西陽平(中曽根平和研究所研究助手)
※実施報告はこちら
第5回 2024年3月22日
テーマ:「大規模ソーシャルリスニングデータベースの活用に基づく世論影響工作、偽情報の事例報告(パイロット調査報告として)」
報告者:大澤淳(中曽根平和研究所「情報空間のリスク研究会」座長)
鈴木涼平(一橋大学大学院法学研究科後期博士課程)
■2024年度
第1回 2024年6月19日
テーマ:ソーシャルデータ分析「沖縄米軍基地をめぐる日中の世論と偽情報」
報告者:安江真理子(中曽根平和研究所主任研究員)
第2回 2024年7月17日
テーマ:「中国の情報戦について」
報告者:大澤淳(中曽根平和研究所「情報空間のリスク研究会」座長)
土屋貴裕(京都先端科学大学教授)
※実施報告はこちら
第3回 2024年9月18日
テーマ:「サイバー戦・情報戦における生成AIの脅威-情報操作型サイバー攻撃を中心に」
報告者:長迫智子(独立行政法人情報処理推進機構・サイバー情勢研究室研究員)
※実施報告はこちら
第4回 2024年10月16日
テーマ:「中国のデジタルプラットフォーム」
報告者:持永大(芝浦工業大学准教授)
※実施報告はこちら
第5回 2024年11月20日
テーマ:「Foreign Malign Influence(FMI)対策におけるデジタル・プラ
ットフォーマー(DPF)と政府の協力に関する論点」
報告者:布施哲(国際社会経済研究所(IISE)特別研究主幹)
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リサーチノート・コメンタリー
2024年2月27日
ウェビナー
2024年3月6日
ウェビナー「インド太平洋地域の偽情報のリスク-選挙と安全保障への影響-」
メディア登場等
2023年6月3日
「(交論)サイバー戦、迫る危機 デービッド・サンガーさん、大沢淳さん」, 朝日新聞デジタル(大澤淳)
2023年6月20日
『ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか:デジタル時代の総力』, 文春新書より共著で刊行(大澤淳)
2023年6月23日
「ウ軍×露軍の情報戦争 サイバー能力に大差? 東部戦線で露軍反撃か」, BSフジプライムニュースにコメンテーターとして出演(大澤淳)
2023年6月27日
「テクノ新世紀:「首相暗殺計画」 南太平洋の島国に怪情報、得する中国」, 日本経済新聞(大澤淳)
2023年8月8日
「座談会 戦場はスマホの中に-「ナラティブ」が情報戦の最前線」, 外交WEB(大澤淳、川口貴久)
2023年8月10日
「[語る]岸田政権の課題<6>サイバー防御 法整備必須」, 読売新聞オンライン(大澤淳)
2023年8月17日
「重要インフラのサイバー対策 医療・港湾も事前審査検討」, 日本経済新聞(大澤淳)
2023年8月25日
『スターリンの極東戦略 1941-1950 インテリジェンスと安全保障認識』, 慶應義塾大学出版会より刊行(河西陽平)
2023年10月11日
「プーチン誤算のルーツ"独ソ戦"決断と失敗 小泉悠&気鋭学者対論」, BSフジプライムニュースにコメンテーターとして出演(河西陽平)
2023年10月12日
「イスラエルでハイブリッド戦 ハマス側サイバー攻撃周到」, 日本経済新聞(大澤淳)
2023年10月14日
「独ソ開戦と「関特演」をめぐるソ連の対日情勢認識:一九四一年」『軍事史学』第58巻第1号が最優秀論文賞の「阿南・高橋学術奨励賞」受賞(河西陽平)
2023年11月20日
「台湾有事の鍵握る「新領域」 法整備の課題から目を背けるな」, Wedge12月号(大澤淳)
2023年12月13日
「ガザ巡りサイバー戦も激化、日本も標的...「イスラエル寄り」理由に」, 読売新聞オンライン(大澤淳)
2023年12月25日
「日本も導入目指す「ACD」とは? サイバー安全保障の最先端の姿」, Wedge ONLINE(大澤淳)
2024年1月9日
『新領域安全保障―サイバー・宇宙・無人兵器をめぐる法的課題―』, ウェッジブックスより共著で刊行(大澤淳)
2024年2月7日
「挑戦を受ける選挙-社会の分裂と偽情報にどう立ち向かうか」, 外交WEB(大澤淳)
2024年3月22日
「サイバー攻撃「防御」法案提出見送りへ 「能動的サイバー防御」日本では可能?」, TBS報道1930にコメンテーターとして出演(大澤淳)
2024年4月28日
「サイバーでも反撃できない日本、中国にやられっぱなし...」, 産経新聞(大澤淳)
2024年4月29日
「The glitch in Japan's plans to bolster U.S. defence」, ロイターでコメント配信(大澤淳)
2024年6月8日
「通信を監視する「能動的サイバー防御」は必要か 専門家の見方」, 朝日新聞(大澤淳)
2024年6月25日
「サイバー防御人材確保、国がキャリアプラン示せ」, 日本経済新聞(大澤淳)
2024年7月15日
「中国軍の台湾侵攻作戦 習近平が決断下す瞬間 日本の巻き添え被害は」, BSフジプライムニュースにコメンテーターとして出演(大澤淳)
2024年7月25日
「サイバー攻撃は国際情勢と連動 露、仏の信頼落とす目的も」, 産経新聞(大澤淳)
2024年10月21日
「企業活動脅かすSNS上の悪意 インプレゾンビ増殖中」,日本経済新聞オンライン(大澤淳)
2024年12月11日
特集『SNSの偽情報がもたらす民主主義の危機』/大澤淳さん(中曽根平和研究所 主任研究員),NHK「Nらじ」(大澤淳)
2024年12月16日
「サイバー安保強化へ 遠い米英の背中 データでみる日本の守り」,日本経済新聞オンライン(大澤淳)
※本研究会は、2023年度に採択された外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金によって運営されています。