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経済・社会

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2014/10/20
世代会計の分析から見えてくること

北浦修敏(主任研究員)による報告を掲載しました。

「世代会計の分析から見えてくること」(PDF)

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本稿では、財政の持続可能性を考慮した世代会計の分析を下に報告を行う。分析の詳細は「財政の持続可能性を踏まえた世代会計の分析」(世界平和研究所ディスカッションペーパー)を参照されたい。
本稿の主な結論は以下の4点である。


第1に、現在の政策の継続を前提にすると、現在の若年世代を代表するゼロ歳世代は1318万円の受益超過(生涯受益額8880万円、生涯負担額7561万円の差。生涯所得比7%の受益超過)となり、現在の全ての世代は負担を将来世代に先送りし続けている(ただし、公的債務残高の対名目GDP比が発散するため、現在の政策を継続することはできない)。


第2に、財政の持続可能性を確保するように財政再建を行うと、現在のゼロ歳世代は965万円の負担超過(生涯受益額7451万円、生涯負担額8416万円の差。生涯所得比5%の負担超過)となる。


第3に、財政再建を実施すると、現在の政策を維持する場合と比べて、現在のゼロ歳世代で2284万円(1318万円と965万円の和)、1年当たり27万円(受益減17万円、負担増10万円)の負担の増加となり、現在の高齢者(65歳以上の者)平均で633万円、1年当たり45万円(受益減39万円、負担増6万円)の負担の増加となる。


第4に、現在の世代が将来に先送りする公的債務による将来世代の超過負担額は、現在の政策を前提とすると、総額2134兆円(一人当たり4249万円)、財政再建を実施すると、288兆円(一人当たり572万円)となり、財政再建は将来世代の負担を劇的に軽減する(一人当たり3677万円の負担減)。

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