2017/01/12
提言『米国新政権と日本-新時代の外交安保政策-』を発表
提 言
『米国新政権と日本-新時代の外交安保政策-』
トランプ新政権の誕生は、戦後長らくリベラルな国際秩序を支えてきた米国において、国際協調よりも自国の利益を優先すると明言する政権が誕生するという、我が国のみならず世界に対しても大きな情勢の変化となる可能性がある。そこで、世界平和研究所では、日米同盟研究委員会を発足させ、今後の米国の政策が国際情勢に及ぼす影響と我が国の取り組むべき課題と方策について検討を実施、とりまとめた提言につき、1月12日(木)当研究所大会議室において記者発表を実施した。
提言『米国新政権と日本-新時代の外交安保政策-』(和文pdf)
日米同盟研究委員会のメンバーは下記のとおりである。
委員長 北岡伸一 東京大学名誉教授(当研究所研究本部長)
委員長代理 久保文明 東京大学教授
委員 香田洋二 ジャパンマリンユナイテッド顧問、元海将
委員 川島真 東京大学教授(当研究所上席研究員)
委員 細谷雄― 慶應義塾大学教授(当研究所上席研究員)
委員 森聡 法政大学教授
委員 道下徳成 政策研究大学院大学教授
委員 大庭三枝 東京理科大学教授
(委員以外の関係者)
世界平和研究所理事長:佐藤 謙(元防衛事務次官)
同主任研究員 :嘉治 美佐子
同主任研究員 :高山 裕司
同研究助手 :大久保 明
提言は、下記の3部構成となっている。保護貿易主義、反国際主義を主張するトランプ新政権の誕生が、戦後一貫してリベラルな国際秩序を支えてきた米国の変化であり、国際政治において第2次世界大戦以後、最大の変化を引き起こす可能性があるとの問題意識の下、米国政治の方向性、世界の主要地域へのインプリケーションを分析し、日本が採るべき外交安保政策を提言している。
外交安保政策の提言内容については、自国の利益優先を明言し、国際協調を軽視する米国の変化が中長期的な変化である可能性も踏まえ、我が国自身による防衛・外交努力を強化するとともに、日米同盟のさらなる強化を目指す内容となっている。大きな特色としては、安全保障政策として、国家安全保障戦略及び防衛計画大綱を見直し、通常戦力による「反撃能力」の段階的整備、防衛費の対GDP比1.2%への増加を提言している。
(提言内容の構成)
序 論
第1部 米国政治の方向性
第2部 主要地域へのインプリケーション
-
朝鮮半島
-
中国・台湾
-
東南アジア
-
欧州・ロシア
-
中東
-
海洋法秩序・法の支配
第3部 日本政府への提言
1.安全保障政策(提言A-D)
2.外交政策 (提言E-L)