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外交・安全保障

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2020/06/22
帖佐主任研究員の研究ノート「ソマリア沖アデン湾における海賊対処活動の現状と課題」を掲載しました。

帖佐主任研究員の研究ノート「ソマリア沖アデン湾における海賊対処活動の現状と課題」を掲載しました。本文はこちらからダウンロードでご覧になれます。

(要旨)

〇 1991年以降、崩壊国家であるソマリアで発展していったソマリア海賊の特徴として、①組織性 ②計画性 ③暴力性が挙げられる。

〇 凶悪な海賊事象が多発・急増する危機的状況を受けて、2008年6月に国連安保理は各国に軍艦及び軍用機の派遣を要請するとともに、ソマリア領海への入域や憲章第7章の基づくあらゆる必要な手段の行使が承認する決議を採択し、これまでに我が国を含む約30か国がソマリア沖アデン湾に海軍艦艇や航空機などを派遣している。

〇 海上貿易が生命線である我が国にとって、官民を挙げて海賊発生を防止しあるいは対処することは必定であり、国家安全保障戦略や防衛大綱でも明確にその重要性が謳われている。

〇 我が国を含む国際社会の取り組みにより、ソマリア沖アデン湾における海賊事象は2012年をピークに激減しているが、その理由として、各国海軍等による海賊対処活動の継続、商船への武装警備員の乗船等の自衛措置のほか、成功率が大幅に低下した海賊ビジネスそのものの旨味がなくなったためであるとの分析も存在する。

〇 ただし、①海賊の訴追・引き渡し ②武装警備員の運用 ③ソマリア国内の犯罪組織といった大きな課題の解決はまだ道半ばである。

〇 現状においてソマリア海賊は力によってその発生が押さえつけられている状態であり、上記の課題に対する国際社会による継続した取組がなければ、再び海賊行為が多発・活発化するおそれがある。

以上

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