English

経済・社会

  • 中曽根平和研究所ホーム
  • 研究
  • 経済・社会
  • 高橋主任研究員(田辺・早稲田大学教授との共著)による研究レポート「社会調査の観点から考える厚生労働省の抗体保有調査の意味と問題点:今後の抗体調査の改善に向けて」を掲載しました。
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

2020/07/03
高橋主任研究員(田辺・早稲田大学教授との共著)による研究レポート「社会調査の観点から考える厚生労働省の抗体保有調査の意味と問題点:今後の抗体調査の改善に向けて」を掲載しました。

高橋主任研究員(田辺・早稲田大学教授との共著)による研究レポート「社会調査の観点から考える厚生労働省の抗体保有調査の意味と問題点:今後の抗体調査の改善に向けて」を掲載しました。

本文(pdf)はこちらからダウンロードできます。

(要旨)

各国でも新型コロナウイルス感染症の第二波に備えるため、抗体検査が行われている。日本では抗体検査が「感染状況を把握するために」という目的で2020年6月初旬に実施された。報道でも「東京0.10%」などと大きく報じられた。しかし、この結果をどう読むべきなのであろうか。市中感染を把握するためにはどのような調査が望ましいのであろうか。本稿では「正しい実態把握には正しい調査方法が必要」との趣旨で社会調査の視点からこの問題を論じてみた。

結論から言えば、東京都、大阪府の調査は抽出方法など、宮城県はサンプルサイズなどで問題があり、誤差の範囲を勘案すると、結果的にPCR検査で捉えられなかった市中感染があったか否かは判定不能である。

考察を踏まえての提言は以下の通りである。

提言1:現実的なサンプルサイズで抗体調査を行うためには感染率の高い地域(例:東京都新宿区、港区など)に集中し、社会調査の専門家も加わって行うべき。

提言2:第2波への備えとしては、むしろ①低死亡率の解明を目的とした高齢者介護施設などへの抗体調査、②PCR検査基準・濃厚接触者定義の検証を目的とした帰国者・接触者相談センターに連絡したがつながらなかった、帰国者・接触者外来を受診できなかった、マスクをしていて濃厚接触から外れた者などを対象とした抗体調査も検討すべき。

提言3:今回の厚労省・抗体保有調査を活かすのであれば、3ヶ月に1回などの同一対象者に対する追跡調査とし、陽性から陰性、陰性から陽性の変化があるかを捉えるようにすべき。

以上

< 前のページに戻る

経済・社会の最新記事

記事一覧へ >

他の研究活動

公益財団法人 中曽根康弘世界平和研究所(NPI)
Copyright ©Nakasone Peace Institute, All Rights Reserved.