2022/10/05
経済社会研究会・コメンタリー NO.11「コロナ禍における日本の人口動態の変化とその対応」(増田幹人・駒澤大学経済学部准教授)を掲載しました。
日本では少子化状態が続いているが、2020年初旬以降の新型コロナウイルス感染拡大によ り、少子化傾向は強まったと推察される。そこで、本分析では、コロナ危機により日本の人口動態がどのように変化したのかについて、比較的最近までの月次データ(2018年1月~2022年2月まで)を用いることにより、月ごとの詳細な検証を行う。日本を対象とした関連研究としては、まず岩澤他(2021)や笹間(2021)等がある。ここでは、出生数、婚姻数の速報値の月次データを用いた分析を行っているが、使用されているのは2021年4月頃までのデータである。また、千葉・仲田(2022)では2022年5月までのデータを用いているが、出生数と婚姻数は速報値、概数値、確定値を組み合わせたものであり、また年次推移に焦点を当てた分析である。
本分析では、連続性を担保させるため終始出生数と婚姻数の概数の月次データを用い、比較的最近までの計算された合計特殊出生率と合計特殊婚姻率の月次の動きからコロナ危機の影響を確認する。