2022/10/25
川島研究本部長(東京大学大学院教授)によるコメンタリー「習近平3期目をどう読むか:人事と演説から考える」を掲載しました。
習近平3期目がスタートした。習自身の演説、および目下発表されている人事からはおよそ次のようなことが言えるだろう。第一に、党主席制は採用されず、総書記制、すなわち集団指導体制が維持されたが、その代わりに党中央のほとんど全てが習近平派と目される人物になり、女性の委員も不在となった。多様な集団が含まれるのが「団結」ではなく、習近平派一色に染めるのが「団結」だということを示したのだろう。第二に、演説でも人事でも団結を協調したのは、2049年の社会主義現代化強国、2035年の社会主義現代化の目標を達成する上で黄信号が灯っていると思っているからだろう。コロナも含めた経済失速、アメリカや先進国からの圧力などがその原因だ。だから、共産党の、そして国民の、さらには中華民族全体の団結を強化しようとする。これは危機感の現れだ。
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