2023/03/20
川島研究本部長(東京大学大学院教授)によるコメンタリー「2023年3月全国人民代表大会をどう見るか」を掲載しました。
2023年3月13日、中国の全国人民代表大会がその日程を終えた。既定方針とはいえ、習近平が2018年の憲法改正を踏まえて国家主席として反対票ゼロで三期目に入り、李強が副首相経験のないまま国務院総理となった。江沢民、胡錦濤時代に進められた党内民主化や党内のさまざまな規律が逆転、あるいは修正されていることがさらに明確になった。
今回の全人代については様々な見方があろうが、筆者は全体として党の国務院に対する優位性が徹底し、「国家の安全」の重視が際立ったものだと考える。具体的には、以下の五点をあげておきたい。