バイデン政権は引き続き、台湾情勢を焦点とした米中間の軍事的競争、自由で開かれた国際秩序を推進するための外交のあり方、日本と韓国との三国間協力強化のための取り組みなどを対アジア政策上の優先課題としていくとみられる。一方、米国では、政治的な分極化が引き続き進行するのみならず、共和党と民主党双方の内部で一国主義的な政策を志向する勢力が一定の発言力を持つようになっている。我が国の対米外交の方向性や課題を見定めるにあたっては、こうした米国内政治上の趨勢を踏まえた政策面での協力を打ち出していく必要がある。そこで、今期プロジェクトでは、①米国の世論対策、②台湾やインド太平洋に関連した日米協力、③日米韓の連携強化という課題に焦点を絞って、以下の提言をまとめた。