2024/03/21
中国・台湾研究会コメンタリーNo.2「EUによる対中国アプローチの変遷 ーロシアによるウクライナ侵略の影響を中心にー」(東野篤子・筑波大学人文社会系教授)を掲載しました。
欧州諸国は、2010年半ばまでは中国との良好な関係を追求しようとしていたが、2010年代後半以降徐々に対中認識を悪化させるようになった。中国による一帯一路とそれがもたらす欧州での大型投資への反発や、南シナ海における勢力拡張、新疆ウイグル自治区における人権問題などの複合的な要因がその背景にある。本稿では、欧州諸国および欧州連合(EU)による対中アプローチの変化を概観したのち、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略が欧州と中国との関係にどのような影響を与えているのかについて考察する。なお本稿はあくまで、EUから見た対中国認識の推移を考察対象とするものであり、中国からの視点については検討の対象外であることを予め断っておきたい。